朝日新聞 2012/05/11

※以下に載せていた記事に続きがありました。お世話になっているサッポロキッド様、お手数おかけして申し訳ございません。記事の紹介、心より感謝いたします。(2012.5.30 訂正済)


(本文そのまま)

「西成ジャズ」に酔いしれて 立ち飲み屋で毎週ライブ

阪市西成区の釜ケ崎にある立ち飲み屋で、小刻みなドラムのリズムやベースの音が響きわたる。
地元育ちのミュージシャンらが奏でる「西成ジャズ」。訳あってこの街に流れてきた日雇い労働者らに、元気を与えている。
 西成警察署から北へ約30メートル、簡易宿泊所(ドヤ)や飲食店が立ち並ぶ一角に創業半世紀の立ち飲み屋「難波屋」はある。店の奥の10畳ほどのスペースで毎週水曜日、ジャズライブが開かれている。ジャズ好きのマスター・筒井亘(わたる)さん(57)が5年前、店を改装したのをきっかけに始めた。
 ビールケースに板を渡したテーブルに、ジョッキや小皿が並ぶ。終了後は客の間を小鍋が回る。「投げ銭」がチャージ代わりだ。

 「ブラボー」。そう叫んだ男性(61)は「ジャズはよく知らんけどな」と、白い歯を見せた。愛媛県出身。25年前から釜ケ崎でドヤ暮らしをしながら建設現場を渡り歩く。「安く飲めて、いい音楽を聴ける。ここでストレス抜いて、朝起きてまたがんばるんや」 「ライブに救われた」と話す40代の男性も。10年ほど前に飲酒運転で死亡事故を起こし、2年間服役した。妻は出所を待っていてくれず、1人で釜ケ崎にやってきた。3年前、建設現場の同僚に連れられて難波屋に来て、熱い演奏に打たれた。「いつも元気をもらっている」

 演奏するのは西成出身のドラマー・松田順司さん(50)を中心としたプロのミュージシャンたち。音楽に詳しくはないかもしれないが、盛り上がった時には心の底から楽しそうな表情を見せる釜ケ崎の労働者たちを前に「ごまかしがきかない。演奏する側が裸にされている感じ」と松田さん。
 松田さん自身、貧しい家庭に育ち、高校時代にジャズと出会うまでは荒れた生活を送っていた。様々な仕事を経て、30代でようやくプロに。「音楽のおかげで道を踏み外さずにすんだ」。その音楽で誰かに勇気を与えたいという。
 松田さんと共に演奏するミュージシャンたちも難波屋でのライブに病みつきになり、演奏するメンバーは35人ほどに増えた。「西成ジャズ」と銘打ち、開催場所は近くのおでん屋などにも広がり、一般の音楽ファンもかなり増えた。 松田さんは言う。「ジャズは、魂の叫びの表現。必死で毎日を生き、命と命がぶつかりあうようなこの街に、すごくマッチしている」

リンク→http://www.asahi.com/kansai/entertainment/news/OSK201205110061.html
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